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世界初「リモートセンシング技術を活用した定期旅客便による大気成分等の自動観測」を開始

〜ANA x JAXA 共同研究による温室効果ガス削減の取り組み〜

ANAホールディングス株式会社(代表取締役社長:芝田浩二、以下「ANAHD」)と宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下「JAXA」)は、世界で初めて、衛星リモートセンシング技術を活用し、定期旅客便での大気成分等の自動観測実証を開始します。


ANAHDとJAXAは2020年9月より、JAXAが2009年に打上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測技術*1を応用し、航空機の客室内から都市域における大気成分等を観測する技術開発*2を進めてきました。これは、人為起源の二酸化炭素の排出量が7〜8割を占めると考えられているため、都市域における温室効果ガス排出量削減の検討や削減効果の評価に役立つデータの提供、そしてパリ協定への貢献を目指す取り組みです。


本共同研究では、これまでJAXAが開発した装置をANAの航空機内にその都度持ち込み、運航便で観測技術実証*3を進めてきましたが、今回ANAが保有する航空機(ボーイング737型機)の客室内一部を改修し、客室内から大気を観測する機器搭載技術を開発しました。この技術開発は、図1で示すように、宇宙から広域を観測する衛星の観測と、航空機による高頻度かつ詳細な観測を複合することで、より精度の高い観測網の構築を実現することを目的としています。


これにより、世界で初めて、衛星リモートセンシング技術を活用した、定期旅客便での大気成分等の自動観測実証を実現していきます。


図1:定期旅客便からの観測と衛星観測の模式図   ©ANAHD
図1:定期旅客便からの観測と衛星観測の模式図   ©ANAHD

ANAHDとJAXAは本共同研究を通じて、脱炭素社会の実現に向けた社会的価値の創造に貢献し、航空事業の新たな経済的価値の創造に挑戦してまいります。今後も観測データの種類を拡大し、国際機関、政府機関、民間企業、地方自治体などの顧客ニーズに応じたデータ利活用事業の構築および温室効果ガス削減に向けた科学的エビデンスの提供を目指してまいります。さらに大気成分等の観測に留まらず、観測データ利用・応用への発展に向けて研究開発を進め*4、宇宙と空から環境問題をはじめとする地球規模の社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。


*1 「いぶき」は、JAXAと環境省、国立環境研究所が、共同プロジェクトで開発した人工衛星であり、地球温暖化の主な原因と言われている二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスを宇宙から測定する。後継機として2018年10月に「いぶき2号」、2025年6月に「いぶきGW」が打上げられ、運用中。(https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/project/gosat/index.html

地上から上空までの大気成分濃度に依存する光の吸収強度を、リモートセンシング技術(遠く離れたところ(遠隔)から、対象物に触れずに対象物の形や性質を測定する技術)を用いて計測する。

*2 Greenhouse gas Observations of Biospheric and Local Emissions from the Upper sky 「GOBLEU(ゴーブルー)プロジェクト」として推進中(以下URL参照。図2はミッションロゴ。)

*3 論文参考: Suto et al, 2025: (https://doi.org/10.1186/s13021-024-00273-1)

*4 観測精度向上のため、GNSS情報をはじめとする様々な補助データを同時に取得する技術も ANAHDおよびJAXAにて開発。 GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星シ ステム)とは、アメリカのGPSに代表され、複数の測位衛星からの信号を受信することで、地上の 受信機の正確な位置や時刻を計測するためのシステム。


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